信長の館で、黄金の天主と名工の技術をみよう
安土城天主 信長の館へ行ってきました。
築城以来わずか3年の1582年に焼失した安土城天主を、原寸大で復元し展示。中に入ると、空間いっぱいに安土城天主がおさまっています。
1992年4月「スペイン・セビリア万国博覧会」の日本館のメイン展示として、元愛知産業大学学長内藤昌氏監修のもと、原寸大にて復元。
万博終了後、当時の安土町が譲り受け、解体移築し、新たに追加復元された部分を含めて展示しています。
※写真撮影はOKですが、写真のブログ掲載については施設に許諾が必要です。
天主5階は八角形。宇宙空間を表すそうです。
床と柱の朱塗りの鮮やかさ、内装部の金色がまぶしい。5階部分の黄金の間です。
柱には金色の龍が立体的にうねっています。軒にも龍のようなものが見えます。
金色の内陣、朱塗りの外陣に分かれています。それぞれに仏教の天界をイメージした理想郷の象徴の襖絵が描かれています。
中央には畳が2枚置かれています。ここに信長が座って、天界へ上る気分を味わっていたのでしょうか。
少し色が変わっている部分。ここはセビリア万博のときにはなかった部分だそうで、あとから追加して作ったもの。
瓦は安土城から出土したものを展示しています。
上を見上げると、これまた金色がまぶしい屋根の軒先。屋根の反り具合が美しい。
この復元にあたり、日本の伝統技術を守る名工が協力して作り上げたことが紹介されています。
個人的には、このコーナーはドキュメンタリー番組ばりに、プロの仕事に密着した映像をエンドレスで流して欲しいくらいです。
伝統的なお寺や神社など、日本建築を今に継ぐそれぞれの分野の方たち。昔の建物の補修や改築、改修工事などにより、ずっと守られてきたもの、また、今回のように再現できるものがあるということは、本当にすばらしいことだと改めて思います。
日本建築のすばらしさを広く伝えたセビリア万博以降も、訪れるお客さんを魅了するもののひとつが、これら職人さんの技術だと思います。
館内にある、VR安土城シアター。
バーチャルの世界で見る、安土城の当時の様子がわかる15分のショートムービーです。焼失してなにもない安土城ですが、とてもリアルに見えるので、もしも存していたら、すごいことになっていたでしょうね。これはぜひ見てください。
2階へ続く階段の途中に目にとまる、信長の肖像画。写真のようにとてもリアルに見えます。宣教師が書いたとされるものですが、織田家では最も似ているとされているそうです。
目鼻立ちがはっきりした当時のイケメン?!でしょうか。
金の鯱と鬼瓦の説明文。
天主の最上部にあったもの。高さが1.9メートル、重さが100キロが雌雄1対とは、かなり大きいことがわかる。しかも山の上に建てた天主の最上階の屋根の端なんて、考えただけで足が震えるが、その景色を見た人が実際にいたのでしょうね。
階段を上って6階にたどり着くと、気温がぐっと上がります。金箔の光からくるものでしょうか。汗をかくほどに温度の変化がわかります。
天主の6階は四角形。5階に比べると少しシックな雰囲気。
真正面に金の鯱を見ることができます。屋根の上部は黒の漆塗りと金の細工があります。
黒の漆塗り柱と金色の屏風絵。この屏風絵は狩野永徳を中心に書かせたとされる「金碧障壁画」だそうです。天井には花や植物の絵、出入り口の扉には花の彩色が施されています。6階部分の外壁には金箔10万枚が使用されたそうです。
金キラですが、どちらかといえば、5階よりは6階の方が落ち着きますね。
見てください。この細かい彫金。花の部分も彫刻されているのでしょうか。とても立体的。
軒下は全て金箔です。柱の先にもひとつひとつ彫金されたものが取り付けられています。
手すりの台なんか、ハスの花びらでしょうか。そこまでやりますか!というほどに豪華絢爛です。
下から見上げたら、金箔だらけ。まぶしい世界です。
安土城は1582年に焼失してなくなりましたが、手がかりが書かれたものが残っています。
加賀藩の御抱大工に伝わる「天主指図(てんしゅさしず)」や信長家臣の太田牛一が書いた「信長公記(しんちょうこうき)」が唯一現存する史料とされており、これらを照合して内藤昌氏がこの安土城復元を行ったのだそうです。
安土城にはまだまだ謎がたくさんあります。
本当にこのようなものが実在したのか、そうでなかったか。
解説本もたくさん出ているそうなので、興味がある方は安土城の謎に思いを馳せてみてはいかがでしょう。
ここにはBiwako Free Wi-Fiスポットがあるので、ぜひ利用してください。
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