歴史をつなぐ思いがかなう沙沙貴神社
沙沙貴神社は「なんじゃもんじゃの木」で有名な神社。
近江八幡市安土町常楽寺にあります。
滋賀県内のニュースでは季節の恒例ネタとして「なんじゃもんじゃの木に白い花が咲きました」という話題が流れます。
それがいつの時期で、どこにある神社なのか、どうしてその木がここにあるのか、知らない人も多いのではないでしょうか。
源頼朝の自筆と伝えられる「佐佐木大明神」の神号額面(1186年)の形式の写しがある表参道の大鳥居。参道を歩くと緑が多く、空気が澄んでいてとても気持ちいい。
神社の正面にある茅葺き屋根の「楼門」
平成26年に安土の西の湖の葭(よし)を使う葺き替え修復工事をして完成されたもの。平安・鎌倉様式を継承し江戸中期に再建されたとされる、木組みも屋根もさすが美しいです。
主要な建物は県有形文化財に指定されています。
境内の建物から照明からいたるところに、佐佐木氏(佐佐木源氏)の四ツ目結い(七ツ割平四ツ目目結紋)の定紋が見られます。
縁を結ぶ、ムスビノカミということで、良縁祈願、子孫繁栄など縁起の良いものだそうです。
境内にある庭「呑月(どんげつ)の庭」には鯉が泳ぎ、カメも数匹。
庭の横に、こんな石がいくつか並んでいるのを発見。何に使うのか考えましたが結局わからず。お聞きしたところ、「煮炊き用のかまど」に使っていた石とのこと。
回廊沿いに幕を張って、お参りされる方へ振る舞い酒や煮炊きものに使っていたものの、防災上の問題から現在は電気コンロを使っているそうです。
この石をどうやってかまどにして使っていたのかかなり興味深いです。
それから、あまり見ない聞いたことのない名前の植物が境内にはたくさんあります。
「なんじゃもんじゃ」「うらしま草」「むべ」「常盤まんさく」「多羅葉樹」「蝋梅」「どうだん緋乙女」
43年前に現在の宮司が就任したときには、つばき、さつきしかなかったそうです。
佐々木源氏発祥の地ということで、全国の佐々木さんが遠いところをわざわざ来られるのに、四季折々に咲く花を楽しみに来てもらいたいと思い、宮司と奥様でこつこつと植えたものなのだとか。
「なんじゃもんじゃの木」もそのうちのひとつ。
伊勢神宮外宮にある勾玉池にあった2本の木から、実を持って帰られた宮司仲間が苗木まで育て、そのうちの5株をこの神社へといただいたのだそう。
地植えではなかなか育たないめ、鉢植えで手間暇かけて大事に育て、そのうちの1株を平成3年に現在の場所へ植樹。
「なんだ?この珍しい木は…」というところから俗称が「なんじゃもんじゃ」
正式名称は「ヒトツバタゴ」といい、成長すると30mにもなるモクセイ科。岐阜県日本では対馬と木曽川沿いにしか見られないようです。
5月半ばに緑の葉から白く多数の花が穂状に咲きます。
雄雌2株そろっていないと実を付けないそうです。動物みたいで不思議ですね。
沙沙貴神社で花を咲かせるまでに成長させたいという、宮司の願いが叶ったことから、「思いがかなう」お守りとしおりにも、なんじゃもんじゃの花の刺繍が入れられています。
そして、最後気になったのはこれ。
社務所前にある沙沙貴神社参拝者の芳名簿
全国各地から佐々木姓の聖地ということで、佐々木さんが来られているというだけあって、名簿には佐々木の名前がずらりと書かれて並んでいました。
こんなに佐々木さんが集まってくるなんて、すごいことです。
そんな中、佐々木じゃない自分の苗字を書くのはちょっと勇気がいりました。
早速、次の日、知り合いの佐々木さんに沙沙貴神社のことを教えてあげました。
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