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100年前の機能的なデザイン?!旧伊庭家住宅

ぶるぐんだぁ

旧伊庭家住宅

JR安土駅から徒歩5分のところにある旧伊庭家住宅へ行ってきました。

大正2年(1913年)に建築家ウイリアム・メレル・ヴォーリズが設計した画家伊庭慎吉(沙沙貴神社宮司や安土村長など歴任)の住宅。
一見洋風の外観を持ちながら、内部には暖炉のあるリビングやキッチンなどの洋風建築と、座敷や書院などの和風建築も取り入れた和洋折衷の建築物。
安土町郷土館として使われていたこともあったようですが、現在はオレガノという民間の団体が管理運営を行っています。

旧伊庭家住宅

玄関建物。後ろにある建物と一緒の持ち主だと思えないくらいに全く違った趣があります。

旧伊庭家住宅

入ってすぐの場所にある和室。建物の初期の設計図が飾られていました。
現在の建物とは少し違っている場所もあり、後に増築やリフォームするなどしていった部分もあるようです。
「Me IBA’S STUDIO」と書かれた設計図には、それぞれの部屋の名前も英語で書かれてあり、見学の際、とてもわかりやすいので、参考に。

旧伊庭家住宅

室内にある右の飾り棚に描かれた近江百景。ふすまに書かれた春の菜の花と夕日。画家だった家主らしい芸術的な和室。

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裏側のふすまは、秋の花と満月になっています。

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隣のもうひとつの和室。この部屋は個人的にとても興味深かった部屋。
床の間の部分の壁が少し低くしてあります。右側は階段下になるので、それをうまく取り入れたデザイン。格子の建具などもそれぞれ凝っています。

旧伊庭家住宅

階段下にある作り付けの収納。デッドスペースを有効活用されています。

旧伊庭家住宅

天井には屋根のような傾斜があり、竹が使われていて、大きな節のある竹もアクセントになっています。どこまでも凝りに凝った和室です。

旧伊庭家住宅

奥の庭に面した客間和室。お客様が庭の景色を眺めながら、くつろげる部屋だったのでしょう。

旧伊庭家住宅

伊庭慎吉宛てに届いた手紙が展示されてありました。

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切手は5銭が2枚、これは誰の顔なのでしょうか。

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廊下を奥へ進むと、キッチンとリビングへ続く扉があります。

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キッチンに入ると、大きな窓に囲まれてとても明るい空間。こんなに明るいキッチンだと女性はうれしいでしょうね。窓から見る庭の景色に癒されて一日中ここでくつろげそう。

旧伊庭家住宅

天井にある照明部分もおしゃれ。

旧伊庭家住宅

キッチンの一角にこんなものが・・・石塀?!
ここは設計図上は外のバルコニーだったようです。

旧伊庭家住宅

扉を開けて外から見てみると、ぼこぼことした明るい色の石垣。洋風のかわいらしい外観。

旧伊庭家住宅

窓ガラス上部は氷の結晶のような模様のすりガラス。

旧伊庭家住宅

テラスはもともとレンガやブロックでできた手すりのあるバルコニーとなっていたようです。

旧伊庭家住宅

池のようなジャグジーのような・・・このライオンの口から水がでてたのでしょうか。

旧伊庭家住宅

庭から上を見上げると屋根部分がよく見えます。

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そして、リビングへつながる扉へ。この扉にはドアノブがありません。
通常はドアノブで手前に引いて中に入るのですが、これは軽く押して入るタイプ。キッチンとつながっている場所なので、お盆にたくさんのごちそうを持って、ここから出入りしていたのでしょうか。この旧伊庭家には女中さんもいたようで、女中部屋へつながる階段もこの近くにあります。

旧伊庭家住宅

そして、メインルームのリビング。ココはじっくり見てみましょう。
キッチン側の大きな窓からはやわらかな光がそそぎます。
上窓には明かりがたくさん入るようにと模様が半分切れた状態に。

旧伊庭家住宅

反対側には暖炉があります。すべての柱には同じ模様があり統一感のある部屋。

旧伊庭家住宅

中央の八角形のテーブルと、高級感の漂う味わいのあるイス。
輸入品だそうですが、このテーブル、なんとこたつに変身するんですって!!
テーブルの下にある箱に熱源を入れる場所があり、テーブルの脚にはキャスターがついているので、好きな場所へ動かすことも可能。イスの高さは少し高めになっています。外国にこたつ文化があったのか、伊庭家用に作らせた特注品なのでしょうか。

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そして暖炉。奥に見えるソファー部分には、図面上、もともとイスが備え付けられてあったようです。

旧伊庭家住宅

暖炉前のカラフルなタイル。渋い色使いで落ち着いた雰囲気なのになぜか鮮やかに感じるのは、素材から感じるものなのでしょうか。四隅には花のデザインが配置されています。

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そしてこのイス。屋根裏倉庫から見つかったものを修理して展示されているそうです。すずらんの細工がとてもエレガント。

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廊下奥の水回り。突き当りには洗面所があります。

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大理石でできているのですが石鹸置きが彫られてあり、滑り止めと水切り用の溝もあります。使う人への心遣いが伺われます。

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いよいよ2階へ。階段上下とフロアの壁に目がとまります。薄いブルー系の塗り壁。

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ざらざらとした表面に仕上げた後に、ハケか何かでさっと撫でたような丸い模様があります。

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2階のフロア壁の下側は後に修復されたもの。微妙な色や丸い模様をまねるのはむずかしそうです。

旧伊庭家住宅

2階の初期の図面。これを参考に見てみましょう。

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2階で気になった場所。
STUDIOと書かれたアトリエ用の部屋の扉。ここは洋間にはめずらしい引き戸となっています。大きなキャンパスなどを持込みむためだったのでしょうか、間口がとても広いことがわかります。

旧伊庭家住宅

もうかなり色あせていますが、外側は瀧、内側はソテツの絵が描かれていたとか。

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アトリエ内部から見た扉。
実はこれ、屋久杉の1枚扉、どこかのお寺の扉を貰ってきたものだそうで、今の価値とすると300万円以上もする高価なものなんですって。

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持ち手の部分もお寺の雰囲気が漂います。

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この部屋にも伊庭慎吉宛ての手紙が展示されていました。文字ははっきりと読めませんが、中には画家仲間からの楽しい絵手紙風なものも。

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部屋には暖炉があり、奥には和室の書斎も。暖炉の位置が中央からかなりずれていることから、書斎は後で作られたものと思われています。

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アトリエは大きな窓があり、ヴォーリズ建築によくみられる隠し十字になっています。

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天井が高く、少し和風な感じも伺えます。

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そして、アトリエと反対側の寝室へ。

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ロイヤルブルーの落ち着いた壁に白い天井。今はもうありませんが、ダブルベッドが置かれていたそうです。

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寝室の壁にひときわ青い部分が。これ、寝室と隣のアトリエ奥の和室の両側からつながる2階のトイレがあった場所。

旧伊庭家住宅

100年位前、2階にトイレがあること自体とても珍しい時代。今はもう撤去されていましたが、どのように仕組みになっていたのか、少し興味がわいてきます。

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2階の窓から見える外観のハーフティンバーと呼ばれる化粧梁。ヨーロッパの建築物でよく見かけますが、100年前の日本では珍しいものだったことでしょう。


建物全体としては洋風でデザイン性がありつつ、日本人や実際に使う人のことを考えた機能的な住宅。旧伊庭家住宅、機会があればぜひ訪れて欲しい場所です。
※ 2016年5月末までは「大屋根改修工事」により閉館中となっています。

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旧伊庭家住宅について

旧伊庭(いば)家住宅は市指定文化財として、平成25年8月1日より市民15人による旧伊庭家住宅利用団体「オレガノ」が結成されたことにより、今後は常時公開されることになり 、記念式典が行われました。旧伊庭住宅は大正初期(大正2年 1913年)に建築家ウイリアム・メレル・ヴォーリズ氏が設計された木造住宅で、洋風の外観を持ちながら、畳敷の座敷など随所に和風建築の手法を取り入れた和洋式木造住宅。旧住友財閥の総理事伊庭貞剛が発注し、四男の伊庭慎吉(沙沙貴神社神主は大正10年まで努、その後安土村長を昭和6年から8年、昭和16年から20年歴任)の邸宅です。ヴォーリズ初期の設計であるから特に貴重である。(文章・画像等は「あづち周遊」より引用許諾済み) 続きを読む

この記事を書いたDIGGER

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ぶるぐんだぁ

40代女子。滋賀県内あちこち在住経験あり。信じるものは自分だけ。
だから、なんでも見たい知りたいやってみたい。
最近、瓦に興味を持ち始める。
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