近江商人の家を覗いたことがありますか?旧西川家住宅
八幡山を臨む旧市街地・新町通り。
そこを注意して歩かないと見つからない国の重要文化財・旧西川家住宅の入口。
ここです。
何度も言います。注意して歩かないと見つけられません。国の重要文化財なのに・・・
しかも入場券は戻って市立資料館受付でお求めください、というハードルの高さ。
迷わず市立資料館へ戻り、入場券を購入しましょう。
市立資料館(歴史民俗資料館・郷土資料館)、旧伴家住宅、そしてここ旧西川家住宅の4館共通券となります。
さて門をくぐると八幡瓦の行灯でしょうか。
外観とは裏腹に現代的なオブジェが出迎えてくれます。
徐々に期待が高まってきます。
通用口を抜けるとドドンと現れる何とも立派な日本家屋。
西川利右衛門(または理右衛門とも書く)は蚊帳や畳表を商い財をなし、近江を代表する豪商としての地位を築いたとのことです。
11代が没した後、分家の西川庄六家の厚意により市に寄贈されました。
1983年重要文化財に指定、その後保存修理が行われ1706年建築当初の形に復元されました。
3階建の土倉は1681~1683年の建築で全国的にも珍しいそうです。
庭には灯篭や木々がバランスよく配置され、飛び石があり苔も綺麗に生えています。
庭関係は詳しくない私もすごい庭だということがすぐに分かります。
決して派手ではない玄関をくぐると、想像以上の屋内の作りにため息が漏れます。
吹き抜けや部屋の広がりが圧巻です。
奥の壁が見えません。
何でしょう、本当の富豪の住宅は中に行くほど贅沢になっていくのですね。
上質なのに決して表面的な派手さはなし。
見栄ばかり張りたがる自分を反省します。
ここで作業をしたり事業のアイディアを練ったりしたのでしょうか。
その商才にあやかりたいものです。
西川家の家訓は「先義後利栄・好富施其徳」。
義理人情を第一とし、利益追求を後回しにすることが商売繁盛となり、得られた富に見合った人間形成を行えと説いています。
身に沁みます。ありがとうございます。
企画展では「子どもの誕生と祝い事」が開催されていました。
八幡商家での子どもの誕生は当家だけでなく地域社会の構成員を将来に繋ぐという意味でも重要でした。
そのため様々な儀式や行事を通して子どもを地域に紹介し、成長を祝って喜び合ったようです。
受付のお姉様とも「伝統は残さないといけないと思うけど、自分の孫になるとなかなか、ね~」「若い人は一回限りの祭り事にお金を使いたがらないでしょう?」という会話をしました。
行事ごとを大層にしたがる祖父母世代を疎ましく思うのではなく、その気持ちに甘えることが伝統を引き継ぐコツかもしれませんね。
地域の方にお披露目するのにふさわしいよだれかけですね。
素材、色使い、形状、斬新かつ調和が取れていて素敵です!
守り袋も「カワイイ」系のものが並びます。
海外のデザインを取り入れるだけでなく、日本の古いものにも素晴らしいセンスのものがたくさんあります。
改めて見直すことで逆に新しい発見があるかもしれませんね!
現代になり儀式や行事自体は簡素化されつつありますが、「子どもは地域で育てよう」という子育て観は今も近江八幡市民に根付いているようです。
しつこいようですが分かりにくい入口を探して、本物の近江商人の精神をぜひ体感してみてください。
※今回は特別に許可をいただいて撮影しています。通常は館内撮影不可となっています。
びわ湖 Free Wi-Fi スポット
無料でWi-Fiに接続できます。
◆旧西川家住宅
近江八幡市新町2丁目
TEL 0748-32-7048(近江八幡市立資料館)
開館時間 9:00~16:30(入館は16:00まで)
(施設情報 2016年3月現在)
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