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「エイリアン・トリップ vol.07」 公認DIGGER 湯川カナと、ネパール出身の山岳ガイド・シェルパさんによる須磨区・須磨浦レポート・中編です!

湯川カナ

日本, 兵庫県神戸市須磨区

須磨浦山上遊園/[%http://diiig.net/lw/14143/%]&カーレーター

駅前に戻り、さっき降りてきた山陽電鉄の改札のお隣にある階段を登っていきます。
干したタコみたいな、四角い乗り物が待っていました。
ロープウェー! うぇーい♪

日本, 兵庫県神戸市須磨区

△ロープうぇーい♪ なんとなくウキウキするよね。

妙なテンションで楽しく出発すると、眼下一面、海、海、海。
そっかあ、ここは、「海からいきなり山」なんだ。

日本, 兵庫県神戸市須磨区

△山と海のあいだに、まちが、ない!

なるほどね、それで都会っ子の光源氏は、まち(と女の子)を求めて、明石に移ったんだな。
「あのさ~なんかすげー嵐の夜さ~超こわかったんだけど~夢枕に~明石の入道が現れて~」とか、適当な理由つくって。

日本, 兵庫県神戸市須磨区

とか考えているうち、山上駅に到着。所要時間、3分。

そこから……なにこれ。
果樹園で収穫したみかんを運ぶような箱に誘導されます。

日本, 兵庫県神戸市須磨区

カーレーター:日本で唯一の乗り物。全長91メートル。2人掛けの椅子にすわって、左右の景色を眺めながら勾配25度の急斜面をゆっくりと……」というパンフレットを読んでいるうちにスダード。
ガダゴドガダガダ。わあああ、揺れがびどぐで、景色なんで眺めでる余裕だいどぉぉぉ!

日本, 兵庫県神戸市須磨区

△日本でここだけ、カーレーター。つっこみどころ満載ですが、うかつにつっこんでいると、舌を噛みます!


なんだか歩いた方が速かったような気がするカーレーター(どういう意味なんだろう……)でそこそこシェイクされたあと、登山道で、お隣の旗振山を目指します。

日本, 兵庫県神戸市須磨区

【[%http://diiig.net/lw/14146/%]】

日本, 兵庫県神戸市須磨区

△シェルパさんと一緒に、鉢伏山から旗振山への登山だ!


ここから歩きでだいじょうぶ?
シェルパに訊きかけて、笑ってやめました。

日本, 兵庫県神戸市須磨区

△木漏れ日の登山道を、のんびりお話をしながら歩きます。


ラクパ・シェルパさん。43歳。
生まれたのはネパール。首都カトマンズから東へ、車で1日、そこからは道がないので徒歩で5~6日(!)のところにある、グデルという村。
標高は3,000メートル以上。
名字でもある「シェルパ族」は、このあたりを中心に住み、山岳ガイド……つまりシェルパをなりわいとするひとが多いのだとか。
やっぱり、「シェルパさん」だったのだ!!


日本, 兵庫県神戸市須磨区

△ネパールの標高3,000メートル超の小径をトレッキングしているかのような気分にさせる、シェルパさんの穏やかな語り口。


そしてこちらのラクパ・シェルパさんも、18歳からシェルパとして活躍。
エベレストに登頂4回。
エベレストに登頂4回。
エベレストに登頂4回。
す、すげえ……。
しかもいちばん最近、中学卒業記念にエベレスト登りたいという姪っ子チャムジちゃんのガイドをした2012年の回は、当時のエベレスト登頂最年少ギネスレコードとなったそう。(※ネパールは16歳までエベレスト登頂制限あり)
す、すげえ……。

そ、そんな超本格シェルパさんと、ギックリ腰ホルダーの私たちDIG一行はいま、標高246メートルの鉢伏山山上にいます……。
え、えーい。ヤッホーウ!

日本, 兵庫県神戸市須磨区

仏教の開祖シャカの故郷でもあるネパール。
山岳地帯であるため、約70の、宗教も言葉も食事も文化がぜんぜん違う民族が住んでいるそうです。
たしかに、日本だって、山の中の方が、方言きつかったりするものね。
標準語はネパール語だけど、それではお互いになかなか詳しい話はできないそう。

シェルパは20歳からカトマンズに出てツアー会社で働いていたのだけれど、1996年、圧政を敷く国王にたいして、マオイスト(ネパール共産党毛沢東主義派)が蜂起。
国王に市民の90%が反対をしていたような状況で、6000人の国王軍、6000人の反乱軍による内戦がスタートしたのが、シェルパが24歳のとき。
テロがあり、クーデターもあり。
アメリカが国王サイドを支援して、かえって泥沼化するようなこともありました。
でも、ネパールの市民には、不文律があったといいます。
内戦は、自国の問題。外国人は、お客様。
そのため、結局11年の歳月、約1万7千人という膨大な犠牲を払った内戦が終わったとき、外国人の犠牲者はひとりもいなかった、という話でした。

とはいえ、テロが起こる観光国に、ツアー会社の仕事はないのが現実。
それでシェルパは、それまでガイドしたお客さんに呼ばれたのをきっかけに、何度か来日(そのとき、はじめて海を見たのでした)。
さらに、リピーターが多いことから、日本でツアー会社を設立するにいたりました。
カトマンズに置いてきた奥様と3人のお嬢さんを呼び寄せたのが、3年前。
いま、1年に8ヶ月はネパール、残りを日本というハードなスケジュールをこなしながら、がんばっています。

そんなネパールで、市民待望の憲法が発布されたのが、今年2015年の9月。
「ようやく私たちの憲法ができたんです!」

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「ねえねえ、登山の前って、どういうトレーニングしたらいいの?」
標高200メートル台、ってつまり、あべのハルカス以下の高さでぜぇぜぇ言いながら、おばちゃん、どプロに訊いてみました。
「あー、直前のトレーニングはね、しない方がいいです」
えっ!!

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日本人はきつい思いをして、1日に15キロも20キロも歩いて、がむしゃらに山頂を目指す登山が好き。
ヒマラヤ登山の前も、みっちりトレーニングをやってくるひとが多いけど、そんな日本のペースでは、酸素が薄い高地ではぜったいにもたない。
たとえば日本のマイナス20度よりも、ネパールのマイナス10度の方が、酸素がない分、血液が送れないから、マイナス40度にも50度にも感じたりもする。
日本人が大好きな「頑張る」やり方は、残念ながらヒマラヤでは通用しない。


じゃあ、どうしたらいいのか。
現地のひとがやるようにやるのが、いちばん。
私たちは、1日に4キロしか歩かない。
それも、とにかく無理をしないで、ゆっくりと。
通りがかった村々で見かける犬や牛、植物などの田舎の暮らしの光景、標高によってうつろいゆく景色を、楽しみながら。
美味しいご飯を、ゆっくり食べながら。
だって登山は、競争ではないのだから。


日本, 兵庫県神戸市須磨区

なので、いちばん大切なのは、疲れをためて来ないこと。
エベレストですら10代でも80代でも、身体に障害があっても登れる。力はそんなに必要ない。
もしも登山をしたときに、無理だったことがあったとしたら、それは力がなかったからではなくて、うまく現地の自然条件に合わなかっただけ。
実はエベレストは、登頂にアタックできるのは、一年のうち5月の一週間しかない。
その期間に天候が悪かったり、別の問題がある場合には、諦めるしかない。
だって、相手は、自然だから。



のんびりお喋りしながら、ゆっくり歩いて、きもちもすごーく快くなったところで、旗振山の山頂到着! 標高253メートル!

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△鉢伏山山頂から、降りて、登って、標高が7 メートル高くなったそうです! 満面の笑み。

わー、出発から7メートル増えた~(笑)!!!

日本, 兵庫県神戸市須磨区

△金髪おばちゃん、「やりきった感」があふれてます。ええ、犬の散歩コースですよ、知ってますとも、ええ。



【[%http://diiig.net/lw/14144/%]】

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△ザ・峠の茶屋な風情。いいですな。


創業昭和6年。
いかにも山を愛するひとがつくり、山を愛するひとを迎え入れる、けれんみのない佇まい。
ホッとしながら入ると、一面に、山の写真や新聞の切り抜き記事が貼ってありました。
六甲山もあれば、富士山も、ネパールの山、もちろんエベレストも。
そして、ネパール地震の大きな記事に、神戸の募金で支援の物資を送った記事も。
シェルパが「そうですか。初めて知りました。嬉しい」と新聞の切り抜きを見ていると、茶屋の主が「やあやあ」とにこやかに現れました。

日本, 兵庫県神戸市須磨区

△「ひとの善いおじさん」3人分くらいをぎゅっとまとめてひとりにしたような、奥武志さん。

ものすごく人当たりの良い茶屋の主は、奥武志さん。
「いや、実はね、私、来週、ネパール行くんですよ」
奥さんも登山をされるとのこと。シェルパとふたり、なんだか知らない地名とか、そこの急すぎる飛行場の話で盛り上がっています。

あ、とりあえず、ビール……なんかわかんないけど、その「3本セット」ってやつを!


次回(後編)に続く・・・

次回『「エイリアン・トリップ vol.07」 公認DIGGER 湯川カナと、ネパール出身の山岳ガイド・シェルパさんによる須磨区・須磨浦レポート・後編です!』

この記事を書いたDIGGER

湯川カナ

湯川カナ

早稲田大学在学中にYahoo! JAPANの立ち上げにかかわるも、数億円になったはずのストックオプションの権利を返上。
突然、言葉もわからないスペインへ魂の逃亡したところ糸井重里氏に見出され、「ほぼ日」への連載を開始。

10年後、こんどは神戸に移住し、「生きる知恵と力を高めるリベルタ学舎」をスタート。
「誰もがまるごとの自分で生きられる社会を!」と、アミーゴたちと今日も革命話。

近著に『「他力資本主義」宣言-「脱・自己責任」と「連帯」でこれからを生きる』(徳間書店)
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