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「エイリアン・トリップ vol.09」 公認DIGGER 湯川カナと、ペルー出身の大学生トシさんによる西区レポート・中編です!

湯川カナ

雌岡山


【雌岡山】

山ちゃんの畑からも見えていた、ふたつの山。
西が、めっこーさん。東が、おっこーさん。
ん? 神戸の「裏山」ろっこーさん、と、響きが似すぎてない?
漢字で書くと、左が「雌岡山」、右が「雄岡山」なのだそうだけど、どうも、こじつけっぽいぞ!
どうだ、ひょっとしたらカタカムナ(※東灘区岡本編、参照)で「○ッコーサン」って発音は、「神の山」とかなんとか意味があったりするんじゃないの??

ともかく、行ってみよー!

雌岡山

△ 山崎さんの畑から。左がめっこーさん、右がおっこーさん。

というわけで、桂さん運転の車で、雌岡山(めっこーさん)へ。
車中、なぜか埋葬の話になり、トシさんからペルーの土葬の話を聞いていたら、山ちゃんから小さい頃は押部谷も土葬だった記憶がある……との話も飛び出し、ドキドキ。
さらに、近くには高野山に経典を送った密教の寺院があるとか、キリスト教の寺院もあるとか、秀吉の果樹園があるとか、わかんないけどなんかえげつないゆかりのものがいっぱいあるらしいとのことで、ますますドキドキ。
「そろそろですー」
桂さんの優しい言葉に車窓を見れば、地名は「神出町古神」。
んもう、神々しいったらありゃしないぜ!


車で坂をがーっと登り、いよいよ、目的地の「神出神社」へ。
4文字の中の50%が神です。しかも神が出てくるのです。恐れ多すぎる神出神社。

雌岡山

△ 神出神社、「かんでじんじゃ」と読みます。

車から降り、シイの実で敷き詰められた参詣道を登ることしばし。

雌岡山

△ なんだか心がシュッとなるよね、神社への参詣道。

山頂の神社に着きました。
おお! ナイス・ビュー!

雌岡山

△ 山頂から南を眺める。なんて、開放感!

なんと、明石海峡大橋まで、すらっと見晴らします。
なんでも昔々、淡路島からこの雌岡山目指して飛んできた神様かなんかが、途中に赤い石を落っことしたのだそう。
その場所を、赤石=あかし=「明石村」というようになった、という伝説があるんですって。

それにしても、海と近い。
意外と西区は、だいたい海抜60~70メートル。
朝から自転車で明石に行き、釣りをして帰ってくるおばあちゃんもいるという噂です。

雌岡山

△ ベストな眺めをあなたに。覗き穴もあります。

雌岡山

△ おお、ナイス・ビュー。って、トシさんの顔がね!


山頂から眺めると、さっきまでいた山ちゃんの畑のある押部谷は、やはり谷のようでした。
だから、「大規模農業で効率化」というのに、合わない。
人間の都合で自然を変えるのでなく、自然にひとが寄り添って、植物も虫も動物も雨もぐるっと循環する有機農業のなかで、大地の恵みをいただく。
そんなやり方をするしかないし、それがなんだか、神がいます山に見守られる土地にぴったりの農業に思えました。


……なーんてね、そこまではよかったのです。
「そういえば、子午線上に、ピキーっと割れた巨石があるという噂を聞いたことがあるんですけど」
山ちゃんの言葉にビビビと反応したカナが、
「探しに行こう!!」
今日の予定を無視して、こぶしをあげてしまいました。

雌岡山

△ 「よし! 行くぞー!」 完全に浮かれてますね。

雌岡山

△ あるこー、あるこー、私は元気♪ 元気すぎ~♪♪

木の葉が積もってつるつるの山道を、みんなで、ずるずる滑りながら降ります。
と、いきなり怪しげな鳥居発見。

雌岡山

△ 森の奥にひっそりと連なる赤い鳥居。怖いよ?


まさかの手描きです。
おそるおそるなかに入ってみるとその奥には……んんん、謎の石と、謎のお供え物。
「これ、かなあ?」「……違うよね?」
見なかったことにして、出てきました。

雌岡山

△ なんか……手描きなんですけど!! 最後の一文字は、「神」?


そして、まだかな、まだかなと、坂を下り続けること40分ほど。
桂さんが「あっ! ここって!」 叫びました。
それはさっき、私たちが車で上ってきた入り口。
「……ともかく、駐車場に置いてきた車、取ってきますね」
桂さんが走り去ったあと、うーむ、どこだったのだろう、けっこうくまなく見たよねえと、残るメンバーで話しながら、落胆して空を仰ぐ……視界の隅に、石碑が。
ん? 

雌岡山

△ 子午線、ここかい!!!



次回「エイリアン・トリップ vol.09」 公認DIGGER 湯川カナと、ペルー出身の大学生トシさんによる西区レポート・後編です!

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湯川カナ

湯川カナ

早稲田大学在学中にYahoo! JAPANの立ち上げにかかわるも、数億円になったはずのストックオプションの権利を返上。
突然、言葉もわからないスペインへ魂の逃亡したところ糸井重里氏に見出され、「ほぼ日」への連載を開始。

10年後、こんどは神戸に移住し、「生きる知恵と力を高めるリベルタ学舎」をスタート。
「誰もがまるごとの自分で生きられる社会を!」と、アミーゴたちと今日も革命話。

近著に『「他力資本主義」宣言-「脱・自己責任」と「連帯」でこれからを生きる』(徳間書店)
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