「エイリアン・トリップ vol.03」 公認DIGGER 湯川カナ、スコットランド出身のグレアムさん、イングランド出身のデイヴィッドさんの三人による灘区・水道筋商店街レポート・特別編「灘中央市場」後編です!
「灘区・水道筋商店街レポート」後編の前に、特別編「灘中央市場」を、前編・後編の2回に分けてご紹介します!
<灘中央市場 後編>
【灘中央筋市場/[%http://diiig.net/lw/14081/%] 】
△明石の昼網が届く大谷商店、阪神タイガース80「執念」じゃーい
「80執念優勝Tigers」と書いてある大谷商店の歴史は90周年くらいとか。
いやもう、驚かないけど、やっぱり驚くわ。
あと10年くらいで100年か~。
△ハモの季節にハモをさばき続ける三代目は、江見さんと同級生
ゑみや洋服店の江見さんと同級生という三代目ご主人が、なにやら長いものを一心にさばいています。
「これなんだと思う?」
グレアムとディヴィッドにクイズ。
△エイ! おかーさん、エイがいるよ!!
うなぎ? 惜しい。 アナゴ? 残念、でもよく知っているね!
答えは、ハモ。いまが旬。
こうしてしゅっしゅっとさばかれたハモはすぐに湯引きにされて、梅肉ソースを添えたものが、店頭に並んでいきます。調理は女性陣の担当。
一般家庭はもちろん、県内あちこちのホテルやレストランが、ここのお魚、さらには明石の昼網などを求めて買いにきます。
三代目の後ろには、巨大な水槽がふたつ。
覗いてみると、これからさばかれるのであろうハモをはじめ、フグから伊勢エビ、そして巨大なエイまで、ゆらゆら泳いでいました。
ちょっとした水族館。
すぐ近くに王子動物園があるし、ついでにここにも立ち寄ると良いのだ。
しかも、写真を撮っていると、水槽のポンプをいったん外に出してくれるという親切さ。
ありがと! でもお魚が……!! でもありがと!!!
急いで写真を撮ります。
△貝コーナーだけでもこの賑やかさ。もちろんホヤも獲れたてホヤホヤ…
デイヴィッドとグレアムと話しました。
なんか市場のひとって、みんな、楽しそうに仕事してるよね。
スキルが必要で、それを活かせる、余人をもっては換えがたい仕事。
そして、一国一城の主。
「日本で、こんなにイキイキと仕事してるひとたち、初めて見た」とグレアム。
ここにあるのは、「作業」とかじゃなくて、ほんとの「仕事」なのかも。
△女性陣は調理と接客。見事なチームワークで、お魚ワンダーランドがまわってます
惚れ惚れするような集中力と手さばきでハモをさばき続ける、三代目ご主人。
「魚さばくの好きですか?」と訊くと、
「好きですねー」即答。
愚問でしたね、愚問。
【灘中央筋市場/生鮮野菜・[%http://diiig.net/lw/14082/%] 】
△「大きいもの」と「はしり」と「枝豆」にこだわりあり! 藤原商店
肉、魚、ときて……やっぱりあった、八百屋さん!
なんだかすごい種類の野菜が、ひとつひとつ手書きの説明とともに並んでます。
▽ ご主人手書きのPOPを収納した箱がいくつもある
こちらは60年、いまの二代目さんで40年。
って、さらっとふつうに言うけど、すごいなあ、ほんと。
△この日は徳島の恋姫と、岐阜の枝豆。ああ夏が楽しみだ!
いちばん手前に、美味しそうな枝豆が並んでます。
いまは徳島ね。
これから、丹波黒豆、そのあと京都黒豆、それも紫ずきんから夏ずきんへ、さらに山形のだだっちゃ豆、それが終わると、ががっちゃ豆……。
それはもう楽しそうな表情で、説明してくれました。
藤原商店がなぜ、こんなに枝豆にこだわっているのか。
それは、ご主人がものすごーく枝豆大好きだから。以上!
ビバ個人商店!!
ほかのこだわりは、「大きい野菜」と、「国産の旬のもの」。
△デストロイヤー。たしかに!
このときの旬はジャガイモで、「インカのめざめ」や、福岡産の甘くて美味しい「デストロイヤー」が並んでいました。
「デストロイヤー、ね、似てるでしょ。わかる? ボボ・ブラジルとか」
ご主人、デイヴィッドとグレアムに、デストロイヤーの説明をしてくださいます。
私も、「覆面」を説明しようとして、「ほら、ミル・マスカラスとかってさ、」と、ふたりでますますの泥沼に。
ご主人、私は「デストロイヤー」も「ボボ・ブラジル」もわかったよ。ちゃんとわかったよ~(泣)
△「デストロイヤー」を外国人に説明するという、人生で最も困難なチャレンジ
にしても、こちらもご夫婦だなあ。
どこでも、癖のありそうなご主人と、ニコニコ笑顔の奥様のセット。
場合によっては、二代にわたって。
これが商売の光景の「当たり前」だったんだね、きっと。
やっぱり、くすん。
なんだろう、この懐かしさと、あたたかさ。
【灘中央筋市場/和菓子・[%http://diiig.net/lw/14083/%]】
△看板娘は四代目の若女将五代目のママでもあります。
灘中央市場の東の端、つまり反対側の入り口にあるのが、和菓子屋さん。
というロケーションにぴったりの「看板娘」が、ちゃんといましたよー!
めっちゃキュートな看板娘、四代目。
△四代目が攻めてみたプチトマちゃんだよ
父である三代目は、京都からやってきた和菓子の職人さんだったとか。
京都の文化「水無月」などを神戸に伝えたひとりでもあります。
いまは、三宮の製菓学校の先生もしているんだって。
洋菓子も手がける四代目、つまり看板娘のご主人は、一転して攻めの姿勢。
店先に並ぶ「まやロード」などの洋菓子は、四代目ご主人の手によるもの。
さらには、いちご大福の季節が終わったあとになにかおもしろいことができないかと、「プチトマト羽二重」を考案。
しかも凍らせて食べるという斬新な提案を。
8月中旬には、「シャインマスカット羽二重」が登場予定。
これも凍らせるのか!? ええ、どうなんだ!?
気になって質問したけど、看板娘に笑顔ではぐらかされてしまいました。
△三代目女将が切ってくれているのは三代目主人による和菓子
「食べていかれます?」
和菓子のように上品な三代目奥様からすすめていただきました。
ただし、豆を甘く煮て食べる文化のない欧米では、アンコはわりとイメージで敬遠されます。
ほら、日本人が、「お米のミルク煮デザート」とか聞いて「おえっ」と思うかんじ。
でも、グレアムとディヴィッドはだいじょうぶとのことで、「おいしいねー」と食べていました。
△甘すぎずうまうまでした。
あ、ごめん、むしろ私がこしあん苦手なんです……。
そうカミングアウトすると、若女将が気分良く笑いながら答えてくれました。
「あー、私は、つぶあんがあかんねーん」
まじか!
△つぶあん苦手な陽気な看板娘がお見送り!
添加物なしのお餅やお菓子がならぶ美吉堂。
和菓子も洋菓子も、つぶあんもこしあんも、どぞー!
しかし、可愛いなあ看板娘。
そこそこ大きな「五代目」のお子さんがおいでとのことですが……。
見上げるとそこは、灘中央市場の出口。
ああ、天井の高いアーケード越しに射し込む陽光が、眩しいぜ。
(灘区・水道筋商店街 後編へ続く)
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