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「エイリアン・トリップ vol.08」 公認DIGGER 湯川カナと、中国出身の観光ガイド・シェさんによる垂水区レポート・中編です!

湯川カナ

シーサイドホテル舞子ビラ神戸

シーサイドホテル舞子ビラ神戸
△ 見てみて! 玄関に行くエレベーターだよ!

初めてエレベーターで酔いました。

昼食は、舞子ビラに行こう!
案内板に沿っていくと、「正面玄関行きエレベーター」がありました。
あら、おもしろいじゃん。

窓のないエレベーターに乗り込むと、土中をにゅーんと、斜めに上がっていきます。
うぉぉぉぉぉぉぉ。
なんだなんだこれなんだ。
考えたら、上がっていく方向をむけばふつうの「窓のないケーブルカー」だったのだけど、「エレベーター」と思っていたので対応できず。
斜め横にずずーっと引き上げられ続けるかんじ、想像してください。
うぇぇぇぇぇぇぇ、と胃を押さえながら、なんか変だなんだこれなんだなんだと騒いでいるうち、地上に着きました。

シーサイドホテル舞子ビラ神戸

△ 降りるときに表記に気がついた…。


他にこんなエレベーター、どっかにあるのかな?
山陽国名物(?)斜めエレベーター、みなさまも機会がありましたらぜひどぞ! 
(ちなみに、歩いても行けます)


さすが、サイパンと並ぶリゾート地・山陽国。
舞子ビラも、リゾートホテルな趣です。
広々とした庭園をすこし歩いてから、老若男女……のうちのとくに「老」と「女」が列をなして今や遅しとオープンを待つ、豪華ビュッフェスタイルのレストランでランチ。
お腹いっぱい食べながら、シェさんに、お話を聞きました。

シェさんは、中国は山西省、太原出身。
ここは北京から電車で2時間くらい。
約300万人が住む、大きな街。
数々の王や女王を輩出してきた、別名「龍の城」。
少なくとも2500年の歴史をもつ古都。
……そ、そっか、1600年の古墳で驚かなかったわけだ!
むしろ「わ、新しいお墓があるなー」くらいに思っていたのかも?

シェさんはそんな内陸の街から、「海が見たい」と大連の外国語大学へ。
そこで日本語を学び、日本人向けのガイドを始めたそうです。
「だってね、私は中国語でもガイドをしていたんですが、中国人はひとの話を聞かない。
 日本の人は、ちゃんと一生懸命聞いてくれるでしょ。それが嬉しかったです」

やがて、同じ大学の英語学科の女性と知り合い、学生仲間たちと一緒に『ひとつ屋根の下』などのビデオを見るうち、将来「ひとつ屋根の下」に住む仲に……。
「えっ、じゃあ、恋したってこと?」
質問をすると、すっごくひとの善いシェさんが、少し慌ててえっとえっとと言いよどんでから、ふとあることを思い出して教えてくれました。


「でも、中国には、ずっと、愛はなかったんです」

私たちが使っている漢字と、中国大陸で使われている漢字(いわゆる簡体字)は、意外とけっこう違うのだといいます。
たとえば、「愛」という字は、簡体字では、「心」の部分がなくて、「友」だけ。
「中国の『愛』には『心』がない」というのは、けっこう有名な話だそう。

そして、「愛」という概念……男女の愛そのものも、「資本主義っぽくてすごく恥ずかしいものだから、ぜったいにダメ」と、共産党による社会主義教育のもと、こどもたちは教えられてきたそうです。

「えーっ、じゃあ、一休さんのオープニングソングは?」
シェさんが小さい頃、中央テレビで放送していたという、日本のアニメ「一休さん」。

「♪好き好き好き好き好きっ好き、愛してる~、じゃないの?」
「カチカチカチカチカチッカチ、って、意味ない音でしたよ。へえ、そうですか、『好き』でしたか!」


そんな中国に「愛」をもたらす、ひとりの女性が現れます。
テレサ・テン。
もともと海賊テープでもすごい人気だったけど、台湾との宥和政策がとられた時代に、解禁されるやいなや爆発的な人気となったそう。
彼女の歌で「愛」や「自由恋愛」が、中国本土にやってきたそうです。

そんな時代を経て、シェさんは、一緒にドラマ『ひとつ屋根の下』を見ていた英語学科の女性に、乞われてある日本語を教えたそうです。
「好きです」
12月31日のことだったのだって! そして、恋愛結婚♪
ああ、お腹いっぱい。ごちそうさま~!

シーサイドホテル舞子ビラ神戸

△ めっちゃ気持ちよい舞子ビラのお庭。うしろのモコモコが、ちょうど、「ナウシカ」の「オウム」の群れに見えるのが、個人的には見どころ。いや、どーんと見える明石海峡大橋か。



【[%http://diiig.net/lw/13844/%]/[%http://diiig.net/lw/14025/%]】

食後のお散歩は、外国からもたくさん訪れる、山陽国屈指の観光スポットへ。

シーサイドホテル舞子ビラ神戸

△ 川じゃなくて海峡というのがすごいことだ。


その前に、余談。
実は湯川は、毎月ポルトガルに行っていた時期がありまして。
首都リスボン、ワインで有名なポルト。どちらも河口の街です。
そしてどちらの街も、その両岸をつなぐかたちで、それはそれはしゅっとした胸を震わせる美しい橋がかかっているのです。
橋が見える度に、うっとりと眺めていました。
そんなある日、現地で聞きました。
橋をかける技術は、ポルトガルと日本が、世界のトップなのだ、と。
長崎名物のふたつ、眼鏡橋に代表されるアーチ型の石橋も、カステラも、どちらもポルトガル伝来なのですね。

そんな長崎とポルトガルに縁があり、橋を見る目が高いと定評があ……ってもおかしくない湯川が、いつも見るたびワクワクするのが、世界一の吊り橋「明石海峡大橋」。
外国の方もたっくさん、見学に来られるのもわかります。
そんな観光客を眺めていたシェさんが、「あ、あのひとたちは、中国からですね。あ、あっちのひとも」と、通りすがるひとたちを指さします。

「中国のひとは、すぐわかります。こうやって、歩いているから」

なんでも、両手を腰の後ろであわせて歩くのが、特徴なのだとか。
へー!!

シーサイドホテル舞子ビラ神戸

△ 中国のひとの歩き方を、シェさんが再現。そういわれれば、たしかに!


ちなみに日本人は、とくに女子が、「ぺたぺた」歩きます。膝から下で、ぺたぺた。これはヨーロッパで日本人を見分けるときに学びました。


さて、いよいよ、明石海峡大橋へ。
橋の中が、「舞子海上プロムナード」と呼ばれる、散策コーズとなっているそう。
エレベーターで8階まであがると、もうそこは橋の中の遊歩道の入口でした。
さっきまで歩いていた地上が、はるか小さく見えます。

シーサイドホテル舞子ビラ神戸

△ よく「豆粒みたいに見える」、というけど、道行く人の姿がそれよりずっと小さく。その先は水平線!


案内してくださるのは、児島さん。
橋の内部のいろんな構造、ヘルメットをつけて地上300メートルの橋の上に出る完全予約制のツアーなど、風が吹き抜けるなか、いろいろと教えてくださいます。

シーサイドホテル舞子ビラ神戸

△ 橋の中はけっこうな風。いやん、スカート!


展望ラウンジには、橋の上に設置されたカメラをリアルタイムに操作して、その光景を楽しめるシステムもあります。

シーサイドホテル舞子ビラ神戸

△ ほうほう、本当にカメラぐるぐるまわる。調子に乗る、シェさんとカナ。

シェさんとカナがわーい!と動かしていると、カメラが虚空を映したまま、動かなくなりました。

あ、これ、やばいやっちゃ!

シーサイドホテル舞子ビラ神戸

△ 「あ、壊れたみたい! どうする? 逃げる??」 ダメ、ぜったい。


逃げ出したいところですが、なんせお隣に児島さんがいてニコニコしています。
「あの、すみません、壊したかも……」
地上300メートルのカメラの修理代とか、想像つかないのだけど、きっと払えないから、皿洗い……するところないから橋げた洗いでも何年かさせてもらって……。
ちぎれた涙とともに、強風で明石海峡にカツラが飛んでいく光景が目に浮かびます。

「あ、接触悪いことがあるんですよ」
児島さんが、高橋名人並みの連打で直してくれました。
みんな、壊れたと思ったら、ちゃんと近くの係員さんに連絡してね!


そんな児島さんは、この橋のずっと向こう側、淡路島のご出身。

橋ができたのは、30歳の時でした。
それまでは、淡路島から神戸市に出ようとするなら、フェリーで須磨へ行っていたそうです。
橋をつくるという計画を聞いたとき、「そんなのつくれるわけない」と思ったそう。

車を船着き場の駐車場に停めて、いつも船で渡ってきた、海峡。
海ですもの、海。
川とは、サイズがまったく違います。
そこに橋が架かるなんて、誰も想像もできなかったといいます。

でも、実際に、橋ができた。
その後、淡路島に住みながら、神戸に働きに行くひとが増えたということです。
そして、神戸のひとが淡路島の仕事になったときも、かつては単身赴任だったのが、いまは通えるように。
橋が縮めたのは、家族の距離、だったのかもしれませんね。



「トトロだ~!」
こどもが喜びそうな丸木橋が、プロムナードには設置されています。
ただし、地上47メートル。マンションだと、下手したら15階の高さ。
そして、下は、海。
なかなかのスピード感で、波が流れていきます。

シーサイドホテル舞子ビラ神戸

△ あるこー、あるこー、私は元気~♪ (高所恐怖症のひと以外)


丸太橋を、シェさんに渡ってもらいます。
それを横から押したら「おおおっ!」
かなり、キャッキャと遊べます。
それくらい、怖いです、やっぱり。
落ちるわけない、でも、もし落ちたらどうしよう。
人間の想像力って、すごいな~。
今度はぜひ、地上300メートルに登るツアーに、参加してみよう~!

シーサイドホテル舞子ビラ神戸

△ ぜひ橋をわたっているひとを、軽く突いて落としてみてください。「オッ!」となります。

シーサイドホテル舞子ビラ神戸

△ じーっと見ていると、海に吸い込まれそう。

ちなみに遊歩道の先には、足元がスケルトンになっている箇所が、他にもいくつかあります。
観光客向けに、新しくつくったそう。(どんな工事だったんだろう……?)
ところで、この「スケルトン」の語源が、驚いた九州人の「おい、向こうが、透けとるとん!」だというのは、本当デスカ?

シーサイドホテル舞子ビラ神戸

△ この橋は「なかった」んだなと思うと、すごく遠くに見えます、淡路島。

次回『「エイリアン・トリップ vol.08」 公認DIGGER 湯川カナと、中国出身の観光ガイド・シェさんによる垂水区レポート・後編です!』

この記事を書いたDIGGER

湯川カナ

湯川カナ

早稲田大学在学中にYahoo! JAPANの立ち上げにかかわるも、数億円になったはずのストックオプションの権利を返上。
突然、言葉もわからないスペインへ魂の逃亡したところ糸井重里氏に見出され、「ほぼ日」への連載を開始。

10年後、こんどは神戸に移住し、「生きる知恵と力を高めるリベルタ学舎」をスタート。
「誰もがまるごとの自分で生きられる社会を!」と、アミーゴたちと今日も革命話。

近著に『「他力資本主義」宣言-「脱・自己責任」と「連帯」でこれからを生きる』(徳間書店)
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