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ここでしか食べられない味! 豚まん発祥の店「老祥記」

兵庫県食べるよみもの

神戸の中華街・南京町にある「老祥記(ろうしょうき)」は、日本の豚まん発祥の店です。秘伝の麹(こうじ)を使って発酵させるコシのある生地は独特の甘い風味が特徴で、中からはジューシーな肉汁と具があふれ出します。連日多くの人がこの味を求めてやってくる、人気の秘密をうかがいました。
「豚まん」専門店の元祖の味
今から約100年前の1915年、曹松琪(そうしょうき)さんが来日し、神戸の南京町に包子(パオツ)の専門店を開きます。包子とは、小麦の生地で具を包んで蒸す中国の料理のこと。このとき、日本人に馴染みやすいように、豚饅頭(豚まんじゅう)と命名して販売しました。これが日本の「豚まん」の始まりです。三代目・曹英生(そうえいせい)さんが、老祥記の豚まんの特徴を説明してくれました。「一般的な中華まんは、生地にイースト菌を使ってふんわりとさせることが多いのに対して、老祥記では麹(こうじ)を使って生地を発酵させているのが特徴です。初代が中国から持ってきた100年前の麹を、今なお培養して使用しています」初代から受け継ぐ麹は、空気や気候により独自の美味しさに変化します。麹を別の場所に移すと味が変化してしまうため、老祥記の豚まんは、ここでしか作れないのだと言います。この麹こそが、老祥記の豚まんの神髄なのです。老祥記が南京町の場所にこだわり、他の場所に出店しないのは、創業以来の味を守るというこだわりのためなのです。


戦後の頃の「老祥記」。二代目の曹穂昇(そうほしょう)さんの時代


お店に展示されている昔の「老祥記」の扉。お客さんが扉を何度も開閉するため引手部分に穴が空いており、その様子が当時の新聞で報道され、繁盛ぶりが記事で伝えられました


現在の「老祥記」。店の前には常に行列が。区画整理で若干位置は変わったものの、ほぼ昔と同じ場所に店を構えています
熟練した職人は、1分間に13個の豚まんを包む
老祥記の豚まんを作る様子を、実際に見せてもらいました。豚まんの具は、神戸の老舗精肉店から仕入れた豚のバラ肉のミンチに、少し牛肉を加えて風味を出し、臭みを消すために青ネギを入れています。肉をこねる温度も重要で、夏場は冷やしながらこねるといいます。ジューシーさを残すために、あまりこねすぎないのもポイントです。豚まんの生地は、前日からこねて、秘伝の麹を混ぜるなどして発酵させます。当日、その生地を職人がこねて棒状に伸ばし、一口大サイズにカットします。別の職人がその生地を丸め、具を乗せていきます。それを、さらに別の職人たちが指先で生地の端をつまみあげて、リズミカルに回しながら包んでいきます。熟練した職人は、なんと1分間に13個もの豚まんを包むといいます。


生地に具を包み、豚まんを作る様子。完成した豚まんには、きれいな渦巻き模様が
1日に作る豚まんの数は1万3000個
具を生地で包んだ豚まんを、セイロに並べていきます。1つのセイロに50個、それを4段重ねにして、強火で一気に蒸します。時間は8分45秒ほどです。職人たちが次々と豚まんを作り、セイロで蒸していきますが、そのスピードを上回る勢いでお客さんがやってくるため、店の前には列が絶えません。1日に、実に1万3000個の豚まんが売れます。


蒸しあがったばかりの豚まん。価格は1個90円。その安さも人気の理由です


次々とお客さんに手渡されていく、できたての豚まん。3個から店内で食べられます


麹で発酵させた生地にはお酒のような甘みがあり、モチモチの歯ごたえです。かぶりつくと、中からアツアツでジューシーな肉汁と具が飛び出し、生地の美味しさと混ざり合います。具に味がしっかりついているのでそのまま食べられますが、お好みで辛子醤油やマヨネーズをつけて食べる人もいます。
年に3日間だけスペシャルな豚まんを販売
老祥記の三代目・曹英生さんが仕掛け人となり、南京町では、新たな試みも行われています。「11の並びを豚の鼻の形になぞらえて、11月11日を『豚饅の日』と定めました。そして2011年から、この前後3日間に、『KOBE豚饅サミット』を開催しています。この日は神戸を中心に横浜や長崎からの店舗も加わり、毎年13店舗前後がオリジナル豚饅を作ります」と曹英生さんは説明します。老祥記ではこれまで、フレンチのシェフとコラボして、オマールエビ、ポルチーニ茸とトリュフ、フカヒレなどを使った特別な豚まんなど、毎年趣向を凝らした商品を、この3日間限定で販売しています。


こちらは老祥記の前にある、姉妹店の「曹家包子館」の椎茸入り豚まん(90円)。老祥記の豚まんよりサイズが大きく、お得感があります。老祥記が定休日の際には、椎茸入り豚まんはお休みし、老祥記の豚まんを販売しています。


「老祥記」の創業者である曹松琪(そうしょうき)さん(右)創業から100年以上、変わらない豚まんを提供しつづける老祥記。創業の味を今後も守り続けるべく、現在は四代目が修行中だといいます。神戸・南京町に訪れた際には、ここでしか食べられない、元祖豚まんの味をぜひ堪能してみてください。※本文中の価格はすべて税込です■老祥記住所:兵庫県神戸市中央区元町通2-1-14電話番号:078-331-7714営業時間:10時00分~18時30分 ※売り切れ次第閉店定休日:月曜日駐車場:なし



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JR元町駅(兵庫県)について

JR元町駅(兵庫県)は、兵庫県神戸市中央区元町高架通にある、西日本旅客鉄道(JR西日本)の駅。阪神電気鉄道の元町駅が乗り入れている。路線は東海道本線だが、「JR神戸線」の路線愛称設定区間に含まれている。通常、普通電車と快速電車のみが停車する。島式ホーム2面4線を有する高架駅で、停車しない特急・新快速と駅の営業時間帯の貨物列車は1・4番のりばを通過する。東口・西口に改札が存在するが、エレベーターがあるのは西口のみ。大丸神戸店、メリケンパークへの最寄り駅。(東口)東口を出てすぐ南北にのびる「鯉川筋」と交差している。交差している付近に交番がある。駅の南側には、高架と平行にのびる元町商店街が存在する。駅の北側には、兵庫県庁、兵庫県警本部、兵庫県公館などの公的機関がある。北海道札幌市東区、神奈川県横浜市中区などに同名の駅がある。毎年12月に開催される「神戸ルミナリエ」会場へは当駅が最寄り駅。
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