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コーヒーの新たな魅力を再発見TAMAGUSUKU COFFEE ROASTERS | J-TRIP Smart Magazine 沖縄


オーナーのこだわりが反映されたユニークな店舗が次々に誕生している浮島通り周辺は沖縄本島で最も活気のあるエリアのひとつだ。

写真家でもあるヤフネアキヒロさんのTAMAGUSUKU COFFEE ROASTERS(タマグスクコーヒーロースターズ)もそのひとつ。浮島通りの路地裏にあるこの店は、浅めから深めの焙煎まで、8種類前後のスペシャルティコーヒーの他、カプチーノを楽しめる人気のコーヒーショップだ。
「暑くなってきましたからアイスコーヒーがよく出ます」ヤフネさんが最初に淹れてくれたのはルワンダにあるミビリージ農園のコーヒーだった。「シロップもミルクも入れないでコーヒーがもともと持っている甘みを楽しんでくださいね。うちではホットと同じように丁寧にドリップしてるんです。違うのは氷の上に直接落としているところだけかな」ひと口飲むと、柔らかくて優しいながらも奥行きのある味わいと、複雑な香りが広がってくる。あっさり飲めるのに個性もしっかり感じられるコーヒーだ。

続いて淹れてくれたのはエチオピアの「グジG1」のミディアムロースト。コーヒーというより紅茶のような華やぎが口の中に広がってくる。紅茶好きな人が抱いているコーヒーのイメージを覆すのに十分すぎる味と香り。レモンやオレンジのような柑橘系の爽やかさとブドウの風味も感じられる。
一回の焙煎でローストされるコーヒーははわずか数百グラム。丸一日かけても5kgくらいしかならないという手間暇のかかる焙煎を行っているヤフネさんの仕事ぶりは、ハードルがいくつもありそうな新しい技術開発に挑戦している研究者や、答のない根源的な問いかけに取り組んでいる哲学者のようでもある。

ユニークなのはそれだけではない。驚きなのは、コーヒー豆を焙煎するたびに焙煎を始めてから終わるまで30秒ごとに豆の温度を毎回計測してデータ化している緻密さだ。「データがなければ、おいしいものができてたとしても再現できないじゃないですか」もっとも、データ通りにやってみても、まるきり同じ状態を再現できるわけではないところがこの仕事のおもしろさでもあるらしい。
その一方で、飄々とした側面も時々のぞかせる。「小規模な焙煎のほうが手軽でいいんです。『これを試してみたい!』と思いついた時すぐチャレンジできますから」新しいものに対する好奇心が人の何倍も強いヤフネさんは常にコーヒーをよりおいしく楽しめる焙煎の条件を探り当てようと、日々実験を繰り返しているという。

「今度は温度を下げてローストしてみよう。今度はあの豆にチャレンジしてみよう」と毎度のように違う手法にトライして、ある程度の味に仕上がったら、常連さんや友人に飲んでもらう。そして、飲んでみての感想を聞いて、それを参考にまたトライしての繰り返し。そんなふうにおいしいコーヒーを探求し続けるヤフネさんと、ヤフネさんが淹れるおいしいコーヒーがあるからお客さんも定期的にお店を訪ねてきてくれるのだろう。
「珍しいコーヒーがあったよ」と、旅先で買ってきたコーヒーを持ってきてくれる常連さんもいるという。「はいどうぞ、これが僕のコーヒーです」と作り手のこだわりを自信たっぷりに飲み手に手渡すやり方ももちろんあるだろうが、お客さんとのキャッチボールを楽しみながら、一緒に味を作っていくやり方もあるだろう。

「小さいロースターならではのコーヒーの出し方ってあると思うんです」TAMAGUSUKU COFFEE ROASTERSのコーヒーの流儀の一つは、独りよがりに陥らないよう双方向性を大切にしていることかもしれない。「もちろん、こうしてみたいというアイデアとかこういう味という方向性はありますよ。でも、コーヒーが好きな人はそれぞれ自分のものさしを持っていますから」とヤフネさん。
コーヒーはワインやウイスキーと同じように嗜好品。人ぞれぞれにお気に入りの味というものがある。高いか安いか、有名か無名か、流行に乗っているか時代遅れか。そういうものさしではなくもっと個人の感覚に近いものさしとか、生まれ育った文化に知らず知らずに影響されたものさしが。

「ご近所さんが来てくれたり、観光旅行にきた人が数カ月後にまた来てくれたり。いろんなタイプのコーヒー好きが集まってきてくれる。だから楽しくやり続けられるんですよ」アメリカ経由で日本に入ってきたスカンジナビアンスタイルでもなく、日本のコーヒー文化を支えてきた日本式でもなく、第3のスタイルを模索し続けているヤフネさん。数カ月後にはいったいどんな味のコーヒーを淹れてくれるだろう。

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国際通りについて

那覇のメインストリート・国際通りは、“奇跡の1マイル”と呼ばれている。第2次大戦ですべて焼き尽された町から驚異的な復興を遂げ、沖縄人パワーのシンボル的存在となった。パレットくもじ前から安里三差路までの1.6kmには飲食店やブティックが軒を連ね、1日中人通りが絶えない。脇に広がる“市場本通り”“平和通り”“公設市場”などの路地は、一種バザール的なムードで、見て歩くだけでも充分楽しめる。また、通りに面して土産物・雑貨・衣類などのお店が多数並んでいるが、遅くまで(衣類のお店で22時閉店など)営業している店舗が多い。この情報は、以下の著作物を改変して利用しています。公共クラウド(総務省)、【観光情報】、CCライセンス 表示 2.1 日本、公共クラウド利用規約
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