慶応4(1868)年に伊藤博文公ゆかりの料亭の和菓子部門として創業、宮家や財閥との取り引きも多く、また茶道の席でふるまわれるお茶菓子を長く手掛けている伝統ある和菓子司「常盤堂」。戦後に御影に店舗をかまえた。伊藤さんが子どものころ、初めておつかいを頼まれたのが、御影の常盤堂だったという。伊藤さんが神戸みやげやおつかいものに毎回選んでいるのは、「御影雪月花」。白楽天の詩になぞらえ、雪・月・花を模した手焼きの皮に、備中産のあずきをはさんだ上品なもなかで、創業時からの代表銘菓だ。「春夏秋冬という日本固有の四季、そんな季節のうつろいを、お菓子で表現したのが和菓子です」と、5代目店主の岩﨑典治さん。「甘味は人の心をなごやかにします。心豊かなひとときをすごす、やすらぎの場に和菓子を使っていただければ」。
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