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「エイリアン・トリップ vol.05」 公認DIGGER 湯川カナ、フィリピン出身のカリナさん親娘の三人による中央区・三宮~南京町~ハーバーランドレポート・後編です!

湯川カナ

神戸市中央区

オラ! 神戸エージェントのカナより、中央区・三宮~南京町~ハーバーランドレポート(後編)です。


【[%http://diiig.net/lw/14120/%]】
港町・神戸といえば、神戸港クルーズでしょ!
中突堤中央ターミナル(かもめりあ)で、ちょうど出港間際だった、ロイヤルプリンセス号に乗船。

神戸市中央区

△みんなで船に乗りますよ~!ロイヤルプリンセスに乗る、プリンセスたち♪

正直、あまり面白みのない外観ですが、500人乗りで座席はゆったり。
乗客を積んだ船が、ゆっくり港を出ます。

やがて、アナウンスのテープが……じゃなくて、生の解説が流れはじめました!
しかも、若い女性の声をうっとり聞いていたら、いきなり声が小さめのおじさんに交代。
おじさんが、なぜかたどたどしく話す造船所のスペックを懸命に聞いていると、またまた若い女性の声に。
なんだかシュールな案内放送が流れ続けます。

ただし、アナウンスは日本語のみ。
しかも内容が、「延面積」とか「総工費」とかだったりするので、タガログ語の方が得意なカリナも、15歳Nちゃんも、だいぶつまらなさそう。
まあね~。
外国人向けに、英語で、神戸の成り立ちを船窓から見える摩耶山をからめて説明するとか(だって、ブッダの産湯が湧いていた山だよ!)、淡路島みながら日本書紀の話をするとか、そういうのがあったらよかったかなあ。

神戸市中央区

△最前列にならぶ私たち。すでにカリナの意識が飛びかけてますね。このあとしばし熟睡してました



船は、港の外に出ると、明石海峡大橋を遠く望みつつ、神戸空港の前でUターン。
ポンポンポンポン、家族連れがたこ焼き食べたりしながら、のんびりした時間が過ぎます。
カリナが気づきました。
「さっきの神戸ポートタワーは、外国人ばっかりだったでしょ? フィリピン人もいました。でもこの船は、日本人だけですね」

神戸市中央区

△さっき昇っていた神戸ポートタワーを海から眺めるのもまたよし


ほんと。
なんでも、フィリピンで、(フェリーなどの)船は最安の交通手段なので、そこにお金を払ってわざわざ乗る……というイメージが湧かないそう。
ひょっとしたらいま見渡す船内にアジア系のお客さんが少ないのは、そういう文化背景の違いもあるのかもしれません。

神戸市中央区

△神戸港に戻る時に見えるのが、「神戸港」と大書された灯台。安全祈願の書だそう。ぐっときました


ちょっと盛り上がったのは、港内に戻った船が、ポートアイランドとのあいだにかかる赤い橋の下をくぐった時。

神戸市中央区

△ポートアイランドとのあいだにかかる橋の下を船は通るのでした

なんか、ウソでもいいから、コーベアーが海からぶしゃーっと飛び出すとか、窓にいま映っている光景の解説が出てくるとか、もう少し楽しませてくれるといいのにな。
などと勝手な事を思いつつ、でも、海から眺める、山を背後に従えた神戸の街並みは、やっぱり「めちゃ神戸らしい」感が満載で、素敵だったのでした。

神戸市中央区

△神戸だよ、おっかつぁん!


【[%http://diiig.net/lw/14121/%]】
歩いて疲れたので、遅めのごはん。
なんにするー?
肉! 魚! あっさりしたもの! そして、甘い物があるところ~。
3人の希望が、ぜんぜんちがーう(笑)

神戸市中央区

△[%http://diiig.net/lw/14121/%]の入り口。隙あらばハレーションを起こすバカなカメラを許して


モザイクのフロアガイドを眺めて、ビュッフェスタイルの[%http://diiig.net/lw/14121/%]に入りました。

神戸市中央区

△べらぼうに広い店内。天井もたかーい

神戸市中央区

焼き鳥とサラダのカリナ30代、カニと野菜のカナ40代、そして十代のNちゃんのお皿には、パスタ! ライス! フライ! ポテト!! 眩しいぜ♪

神戸市中央区

△笑っちゃうくらいまったく違う3人のお皿。でも最後はみんなでチョコレートファウンテン



食べながらぽちぽち、昔話。
カリナが日本に来たのは20歳の時、淡路島のご主人のもとへ。
言葉もわからないまま、島内のバスで反対方向に乗ってしまい、帰るお金をもっていなくて途方に暮れていたら、親切な人が「エニィ・トラブル?」と声を掛けて手助けてくれた。

「日本語わからなくちゃ。そして自分も、同じように困っている外国人のサポートをしたいな。」

独学で日本語を勉強して、漢字検定四級まで合格。
さらには長男が通っていた小学校の校長先生の紹介で、移住外国人向け学習サポーターとして、もう12年、活動をつづけている。


淡路島は、やっぱり田舎で、いい人もいっぱいいたけれど、「フィリピンだから、お金目当てで結婚したんだろう」とか「どうせ国に帰ったら貧乏なんだろう」と言われることも多かった。
でも実家はお手伝いさんがいるような家だし、カリナは帰省時にも地元の小学校にスポーツ用具や文房具を寄付するためのチャリティ活動をずっと行っている。あの大きな被害をもたらした台風のときにも、率先して食糧支援を行ってきた。

そして、田舎の学校で、Nちゃんが、いじめを受けた。
日本生まれなのに、ミックスというだけで、田舎の引っ越し先で、目立った。それが原因だった。
辛かったので、都会の学校に行くことにした。
Nちゃんはがんばって勉強して、芦屋の、外国人も多く通う中学校に合格。
1年半、淡路島を6時に出るバスで、毎日通い続けた。
そして最近、家族揃って、こちらへ引っ越してきたところ。


そんなこともあったけど、カリナは、日本のこどもたちは羨ましいと思っている。
小学校には給食があって、こどもたちが勉強に集中できる環境がある。
放課後やお休みには、こどもたちは楽しそうに遊んでいる。

カリナが支援しているフィリピンの貧しいこどもたちは、お腹を空かせている。
小さなうちから、働いて、家のくらしを支えなくちゃいけない。
勉強したり、遊んだり、そういう「こどもらしい」時間を過ごせることが、ほとんどない。

日本に来て、圧倒されたのは、こどもたちが「こどもらしい」ことだった。
同じ環境を、フィリピンのこどもたちにも与えたい。
カリナは今、いっぱい勉強している。
来年は高校に進み、そして大学にも行って、もっともっと故郷フィリピンのこどもたちに笑顔を届けられるようになりたいと、頑張っている。


今日は、そんな頑張り屋さん母娘の、ちょっとした休日になったかな?

神戸市中央区

△新天地神戸で、みんな、がんばろーねー!!



【[%http://diiig.net/lw/14122/%]】
[%http://diiig.net/lw/14122/%]という循環バス、乗ってみたら、予想以上に良かったよ!

新神戸・北野・三宮・南京町(元町)・ハーバーランド(神戸)と分散する神戸の観光地を、効率良く周れます。

神戸市中央区

△最前列のNちゃんが嬉しそうに街を見ています。イイネ!


一回260円。
一日乗車券660円。
ただし17時くらいには終バスとなるので、それだけご注意を。

神戸市中央区

△車内の案内板は、日本語、ハングル、中国語、英語併記。外国語ガイドマップも


「不久到達」-そう久しからず到着する、ということかな。
三宮センター街東口で下車。
朝とはうってかわった人出と賑わいに、ふらふらとセンター街へ。

神戸市中央区

△みんな「震災前はこんなもんじゃなかった」というけど、十分な賑わいです


出発地点の[%http://diiig.net/lw/14119/%]の隣を抜けたところで、カリナとNちゃんが、おもしろいベビー服を見つけて立ち止まりました。
オリジナルTシャツプリントだって。

神戸市中央区

△あら可愛い赤ちゃんのベビー服。オリジナルだって、などと言っていたら

お店のひとが出てきて……あらっ。JUNBOwさんだ。

神戸市中央区

△このひとは朝案内してくれたひと! っていうか、[%http://diiig.net/lw/14119/%]からすぐのところに直営ショップが。本人の希望で名前と場所はナイショ

ショップに並ぶ黄色い鳥――兵庫県公式キャラクター「はばタン」の作者。
三宮センター街の活性化にも取り組む、デザイナーです。


「どうでしたか? 楽しめましたか??」
朝と変わらぬ陽気なテンションで聞かれて、今日の話をしながら、カリナの故郷での活動や「こどもたちに笑顔を」という今後の夢の話をした瞬間、JUNBOwさんが真顔になりました。
「なにか僕でお役に立てることがあったら、連絡ください」
カリナに、名刺を渡しています。


じつはJUNBOwさん、四国から神戸に出てきた社会人一年目に、激震地区で被災。
自らもぎりぎりのところで命拾いをしながら、見知らぬひと同士で助け合って生き延びた日々。
そのときの言葉にならない思い、いつかデザインでひとの役に立ちたいという願いが、何度も生まれ変わるフェニックス(不死鳥)をモチーフとした「はばタン」に込められているそうです。
それで、はばタンの誕生日は、1月17日なんですね。

神戸ポートタワーの向かいにあった「わるタン」も、JUNBOwさんのデザイン。
こちらは東日本大震災をきっかけに、こどもたちに笑顔を届けるために企画されたプロジェクト。
長期間にわたって支援を続けるため、ボランティアではなく、ちゃんとビジネスで収入を確保していくよう、キャラクターグッズ販売からスタート。
実際に、震災から4年半が経ついまも、毎月11日には、東北の仮設住宅を「わるタン」が訪れ続けています。
ほかにも、同じ中央区にある小児がん専門治療施設「チャイルド・ケモ・ハウス」などにも。
こどもたちに、笑顔を届けるために。
ああ、それで、カリナにも名刺を渡してくれたんですね。

神戸市中央区

△兵庫県公式キャラクター「はばタン」の作者とカリナ、「こどもに笑顔を」と願う大人たちは、自分も笑顔!


三宮は、戦後の闇市から生まれたまちだといいます。
駅前がともかくごちゃごちゃしているのは、その名残なんだそうです。
戦争で焼かれ、震災で破壊され。
でも、そのたびに、甦ってきました。まさに不死鳥のように。
なぜか、ここに集まってくるひとたちの力で。

ここに、私が求めていた「観光客向けの神戸らしさ」は、意外と、ありませんでした。
いや、表面的には、いっぱいあるんですよ。
でも、
異人館は、ちょっとできの悪い軽井沢みたいになっちゃってるし。
クルーズは、「これクルーズって呼んだら怒られるのでは」な日常感だし。
(もちろん、それぞれ、本格的なところもあるとは思うのですが)
中華街も、横浜をイメージしてくると小さいし、屋台の品揃えがどこも同じ感じだし、あいまにけっこう神戸ビーフやスイーツのお店も入っているし。
神戸ポートタワーはどうしたいんだかわからないし、モザイクは屋外型のショッピングモールってくらいだし……。

しかも、そのそれぞれが、いちいち微妙に遠い。
歩けるけど、歩いたらヘトヘト。
神戸が、日本有数の観光地でありながら、「一度観光したから、もういい」と言われがちというのも、納得です。


でも、それが「神戸市中央区」であり「三宮~南京町~ハーバーランド」なのかもしれないなと思いました。
観光客向けのわかりやすい「神戸らしさ」のためにつくられたのではない。
ここにもともとあるのは、「くらし」と「必然」。
そういう中から立ち上がってきたものは、たぶん、強い。
神戸港も、震災前に港として本当に賑わっていたときには、きっと行き交う船のあいだをまわるだけで、ワクワクしたんだろうな。
本当に「異人」が多かったときの異人館も、きっと。
そして戦後の闇市も――。


私みたいなエイリアンに、三宮は、とても居心地の良い場所です。
山と海のあいだの、広すぎないまちに、人間のさまざまな日々の営みが集まっていて、ふわっと受け止めてくれる。
「パイ山」みたいなわけわからない設定の場が作られ、でもそこは待ち合わせ場所として機能し、ひとが集まってみると、なんだかとっても心地良くて。
人間の痛みも弱さも知り、隣人に手を差し伸べる、そういうひとたちが外から集まっては離れ……。

まさに人間の、「港町」であり「異人館」である、のかもしれません。
あんなにお飾りっぽくなった「異人館」や「港」が、それでも「神戸らしさ」という記号として根強く残っているのは、やっぱりそれが神戸らしいからなのだと思います。
「神戸っぽいから!」とプリンをつくるようなんじゃなくて、神戸に集まってきたひとのくらしの必然によって自然にできてきた、「神戸らしさ」。
そう考えると、「三宮らしさ」というわかりやすいカラーなどなく、「なんかいろいろゴチャゴチャしてるよね!」が、三宮っぽいのかもしれません。
それがやがて、次の時代の、「神戸らしさ」になってくるのじゃないかな。

たださ!
たしかに、いまのままでは、外国人観光客のハートはキャッチしないわよね~。
それはそれとして、観光客を唸らせるモデルコースも、エイリアンとしては、いくつか用意しておきたい。
というわけで、「この国(こういう趣味)のひとなら、このコースで大満足」コース、大募集!

ちなみに、「フィリピンからの観光客をとりこにする一日観光コース」は、(今回はレポートしていませんが)中古ブランド品のお店、まつげパーマ、神戸ビーフが必須のようです。


▽ Nちゃんのタガログ語レポートと日本語訳です。

待ち合わせの公園の「おっぱい山」っていう名前が面白いなと思いました。公園の山形のモニュメントが「おっぱい」の形をしているから、おっぱい山と呼ばれているそうです。
おっぱい山から、センター街へぶらぶら歩き、いろんな店があって、幾つかのブランド品の中古屋さんもあって、楽しかった!
センター街から南京町へ行くと、中国のいろんな飲食店がならんでいて、そこで、生のマンゴーのアイスを買いました。アイスはとても美味しかったし、売っているおじさんも、すごく親切だった。
そこから、ハーバーランドまで歩いて、真っ赤の神戸ポートタワーに上って素晴らしく美しい神戸のまちを眺めました。
それから船に乗りましたが、船の遊覧の時間が短くて、残念。もっと遠くまで乗りたいな。
ハーバーランドでの遊ぶ時間はまだまだ足りなかったけど、美味しいバイキングランチを食べられてよかったです。

Nakakatuwa ang pangalan ng lugar na oppai-yama. Tinawag daw na oppai-yama ang pangalan nito dahil kasing hugis ng oppai ang dalawang maliliit na bundok sa lugar na ito.
Mula sa oppai-yama, naglakad lakad kami patungong center plaza, nakakatuwa ang mga iba’t ibang shops at mga tindahan ng used branded item.
Mula sa center plaza nagtungo kami sa china town, nakabili kami ng masarap na sorbetes na manga at napaka bait ng nagtitinda dito.
Mula sa China town, nagtungo naman kami sa Harbor Land, umakyat kami sa tuktok ng Kobe Port Tower, pagkatapos nito sumakay naman kami sa ferry, subalit wala namang gaanong magandang tanawin.
Maigsi lang ang pasyalan sa Harborland, pero masarap naman ang kinainan naming lunch buffet.



前回 『「エイリアン・トリップ vol.05」 公認DIGGER 湯川カナ、フィリピン出身のカリナさん親娘の三人による中央区・三宮~南京町~ハーバーランドレポート・前編です!』

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湯川カナ

湯川カナ

早稲田大学在学中にYahoo! JAPANの立ち上げにかかわるも、数億円になったはずのストックオプションの権利を返上。
突然、言葉もわからないスペインへ魂の逃亡したところ糸井重里氏に見出され、「ほぼ日」への連載を開始。

10年後、こんどは神戸に移住し、「生きる知恵と力を高めるリベルタ学舎」をスタート。
「誰もがまるごとの自分で生きられる社会を!」と、アミーゴたちと今日も革命話。

近著に『「他力資本主義」宣言-「脱・自己責任」と「連帯」でこれからを生きる』(徳間書店)
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